不作為による刑事罰

 個人的には、刑事事件の場において「作為義務があるのにしなかった(不作為)」という論旨を持ち出される事に非常に疑問を感じる。リコールのように法律において明分化されているのならともかく、そうでない物にまで持ち出してくると収集がつかなくなる様な気がする。
 これがまかり通るのなら、何らかのプログラムを開発した者は、それがどんな簡単なものであろうとも絶対に悪用されない様、操作性を犠牲にしてでも対処しなければならないし。小売店で物を販売する際に少しでも危険な兆候を感じたら、店員は販売を断るか個人情報を聞き出して警察に通報しなければいけない。そうでもしないと、いつ警察から不作為を問われて逮捕されるかわからない。
 目つきの悪い十四歳の少年に工具セットを販売したホームセンターの店員が殺人幇助に問われたり、ネットワークを利用して遠隔でウェブカメラを操作するソフトの作者が覗きの幇助で警察に捕まるなんて世の中はあんまりだ。
 もちろん、民事なら訴える事は可能だろう。訴えた内容について法廷でお互いが証拠を出し合い、どちらが正当化を判断する際に不作為を持ち出してくるのは一向に構わない。
 だが刑事事件で持ち出されたんじゃ、状況によっては反論のチャンスさえなくなってしまう。逮捕された時点で、即刻悪人にされかねないのが今の日本の現状だからね。
 やっぱり、逮捕=犯罪者って見方は良くないな……と思った。
 そういえば、アメリカでは予備審問という制度があるんだよね。日本も裁判員制度を導入するのなら、この予備審問もセットで導入した方がいいのかも。