軍事オンチは政治オンチ

 とりあえず……「B」のコードが付いてる爆撃機という括りの軍用機が空母から飛んだのは、東京初空襲が最初で最後ではないかと思います。しかもこの機体……ギリギリ離陸できるようにはしましたが、着陸は出来ないという片道切符で中国までぶっ飛んでいきました。(w

  • アメリカ陸軍:第二次大戦当時、比較的小型で運動性の良い爆撃機にA(攻撃機)、それ以外の機体にB(爆撃機)を付していた。
  • アメリカ空軍:陸軍航空隊から発展した空軍は正規の爆撃機にはB(爆撃機)を付し、爆撃機としては比較的小型で運動性の良いF-105のような機体はF(戦闘機)扱いである。A(攻撃機)の名は、地上を移動する戦車やトラックなどの目標を攻撃する機体に対して命名されており<以下略>
  • アメリカ海軍:第二次大戦終了まで、水平・急降下を問わず爆弾を落とす機体をB(爆撃機)、魚雷を発射できる機体をT(雷撃機)、偵察に使用する機体をS(偵察機)として、複数目的に使用できる機体は併記していた。<中略>その後海軍は爆弾を落とす機体を全て Aとし、双発大型機AD-3や超音速核爆撃機A5(ビジランティ)などの急降下爆撃を想定していない機体も含めて一貫してA(攻撃機)ナンバーである。

爆撃機 - Wikipedia

 このようにB-52を始めとする爆撃専用の機体は、「空母の艦橋と干渉する」とかいうサイズ的な面を抜きにしても、空母から飛び立って行動するという事が物理的に無理な設計だったりします。大戦期のB-25のように頑張って飛んだとしても、着陸する事が出来ないので艦載機とは呼ぶことはできません。
 そもそも現在では戦略爆撃機という機体の存在意義は非常に揺らいでおり、いつ廃止されてもおかしくない状態と言えます。B-52も既に配備から40年を経過していますが、後継機体の開発は行われていません。
 代わりに力を注いでいるのが、戦闘機に精密誘導型の爆弾を運ばせて重要な場所に落とす技術……例のピンポイント爆撃というヤツです。戦闘機(戦闘攻撃機)なら空母にだって積み放題ですからね!
 絨毯爆撃なんてもう古いんですよ。そもそも軍人も民間人も区別しない非人道的な方法は政治的に不利益ですし、あとで再利用できるかもしれない地上施設まで壊れてしまうのは軍事的に不利益ですから。
 そんなわけで、敵の重要施設にいる偉い軍人さんだけをサクッっと殺れる精密誘導兵器を、戦闘機でギリギリまで近づいて発射するのが最近のトレンドです。大きい施設を壊したいのなら、遠くの艦船からGPS誘導のトマホークを撃つって方法もありますしねー。
 ……ていうか、こういうのって一般教養じゃないのか?(をい)