枢機卿たちのストレッタ

 コンクラーベの進め方は選挙法で投票用紙の持ち方から祈りの言葉まで細かく規定されている。無記名投票で「なるべく筆跡を変えて記入」と定められており、選挙の行方が当事者間のしこりとなりかねないことをうかがわせている。

 候補を巡る多数派工作は水面下ですでに始まっているが、対外関係での多大な功績と、教会内に対立を残したヨハネ・パウロ2世の後任だけに、誰がなろうともその課題は大きい。
<中略>
 次期法王は、こうした不満を吸い上げつつ、現在、バチカン内に根を張る保守派をも満足させ、ヨハネ・パウロ2世がもたらした“亀裂”を修復する必要がある。
<中略>
 そこで、国務長官(首相)のソダノ枢機卿(77)、ラッツィンガー首席枢機卿(77)といった、長く法王を支えてきたバチカン重鎮が、短期リリーフの形で選ばれる可能性も指摘されている。

 とりあえず、無関係な人まで不安になるほどの大騒ぎみたいですね。在位の長かった偉大な指導者を失った後というのは、大体こんな感じなわけですが……。ほぼ老衰とはいえ、惜しい人を亡くしたものです。

用語参考:音楽用語辞典

ristretto:リストレット(伊)
ストレッタ。フーガで、主題の解決を待たずに応答が現れ緊張を高める手法。