一般会員と特別会員

 現在、日本の国連分担金は19.5%。これは英国(6.1%)、フランス(6.0%)、中国(2.1%)、ロシア(1.1%)の4常任理事国の合計15.3%より多い額だ。常任理事国でもない日本が4常任理事国の合計よりも多い分担金を支払わされている不公平…、小沢大使が「(常任理事国という)地位を与えられていない国がこのような負担を続けることが公正の観点から認められるのか」、と訴える気持もわかるような気がする。しかし、この問題を出してくるタイミングが悪すぎる。日本は先に、常任理事国入りを目指して華々しい外交を展開、そこで高らかに掲げた名分が、「日本は約20%の国連分担金を負担して国連に貢献している。常任理事国になる資格は十分」という論調であった。

 私は世論形成として絶妙のタイミングだと思うな。
 日本もドイツもアメリカを除いたどの常任理事国よりも多く支払っているわけで、しかもアメリカ以外の4国を合わせたより多いというのは、その異常性を印象付ける格好の材料だといえる。
 こんな状況にもかかわらず、この分担金の貢献度もあげた日本の常任理事国入りには反対する雰囲気なわけで。ある意味、今の常任理事国が支払額を大幅に上げるか、日本やドイツなどが出した改正案を飲むかという選択を突きつけているわけだ。
 もちろん常任理事国としてはどちらも蹴る事ができるわけだけど、その場合には世界的な世論は(アメリカを除く)現常任理事国に対してより批判的になるだろう。最悪の場合、加盟国の大半が脱退して別の国際機関を作るという未来も想定できないわけではない。まぁ、そこまで行くとフィクションの世界だけどね。
 かなりハイリスクではあるけど、悪い賭けじゃないとは思うね。特にアメリカの顔を立てつつ、他の常任理事国を公然と批判ができるあたりがね。まぁ……アメリカも滞納してるんだけど、そこは触れない方向で。(w