エロゲの境界

 過去の雑誌等*1の記述を考えると、「エロゲ」という用語の発生には下記の流れがあったのではないかと考えている。

 美少女ゲーム → ギャルゲー → (エロゲー) → エロゲ

 最初期においての混沌状態から、18禁表現を持つものが「エロゲ」として特化されていると考えられる。この流れの中で18禁表現を含まずに「ギャルゲー」に留まった群(ときメモ類)と、「エロゲ」として特化された群(PC版の葉鍵類)が大別されている。
 CLANNADやTH2は一般発売(全年齢化)するために18禁表現を廃していると考えられる。特に後にPC版が発売されたTH2などにおいては、その傾向が顕著である。これらはあくまでもPC版から全年齢版へという流れが、従来と逆になっているにすぎないのではないかと思う。そしてこれらのバージョン間において決定的な差と言えるのが、やはり18禁表現の存在であろう。現実問題としては、そこを「エロゲ」と「非エロゲ」の境界線とすべきではないだろうか。
 ここまで定義したところで「エロゲ風な非エロゲ」タイトルに対する呼称が欲しくなる。そこで注目するのが、つい最近発生したアルトネリコテラエロス事件である。このタイトルはプラットホームの制約として、当然ながら「非エロゲ」として発売*2されているのだが、その道のユーザたちの反応はほぼ全面的に「これなんてエロゲ?(それなんてエロゲ?)」「エロゲ確定」であった。
 このエピソードより、従来からあった「これなんてエロゲ?(kneg)」が「ギャルゲー」において一定のベクトルを持ったと考えている。もともとこの界隈では広範囲に定着していた用語だが、「エロゲ風な非エロゲ」に対する呼び名のひとつとして認識されても良いのではないかな?
 まぁ……個人の価値観によるところが大きいので、表現として明示されずともエロスのオーラが見えれば「エロゲ」だというのもあるかも知れないけどね。

*1:ちなみにTRPGがらみで旧コンプティークの読者でした

*2:PG12指定