ラノベにおけるsneg

 共通項は「キャラ立て」じゃないかな……。
 「文体」と「設定」は多様性の観点から、それぞれのメディア・ジャンルの中ですら統一性を保つ事は難しい。「構成」についてはメディアごとに異なるのは必然であり、エロゲ原作のアニメやノベライズだってゲームと同じ構成を保つのは非常に困難だ。
 残ったのは「キャラ立て」だ。「動物化するポストモダン」として散々語られた、パーツ化された要素の組み合わせによる萌えキャラの構築だ。ここを出発点として、エロゲにありがちな「設定」と「口調(文体)」をお約束的に用いたのが、エロゲっぽいライトノベル……snegなのではないだろうか。
 そもそも「それなんてエロゲ?(sneg)」という言葉の成り立ち自体が、「エロゲにありがちな陳腐であり得ないシチュエーションを喜々として話す人間に対する揶揄」なのだから、「エロゲにありがちな陳腐でありえないシチュエーションを喜々として描写するライトノベル」は十分に「それなんてエロゲ?(sneg)」と呼ばれる資質を備えているのである。
 この場合、エロ描写は重要視されない。あくまでも女の子が、空から降ってきたり、召喚された悪魔や女神だったり、兄によく懐いた血の繋がっていない妹だったり、猫耳で獣の本能だったりして、何の脈略も無く主人公の生活に関与して恋愛に発展する事こそが「それなんてエロゲ?(sneg)」の構成条件というべきだろう。
 だから、ライトノベルはなにかにつけて「エロゲっぽい」とか言われてしまうというわけなのである。

 ……で、そういう作品はあげてるときりが無いから、最終的に「それなんてエロゲ?(sneg)」と呼ばれるのはエロ要素の強いライトノベルに絞られてきたりとか。