間違いだらけの精神分析

 自称偉い人たちは異常犯罪者の心理とか言っているが、基本的な理屈は酷く単純だと思うんだけどね。

  • モノとして扱う?

 この点について、特定用途に供することを目的としていれば、生きていた方が都合が良いと言う点に異論はないだろう。そもそもモノで良いのなら代用品はいくらでも存在するし、モノである事に価値を見出す者の多くは生きている対象に興味を持たない事の方が圧倒的に多い。そもそも生きているということ自体が不純だとするケースすら存在するのだ。だからこの点について、モノとして扱いたいから殺すという概念が発生するケースは非常に稀だと考えられる。

  • 何故殺すのか?

 基本的に抵抗されない・組み伏せやすいという考えがどこかにあるのだろう。しかしこれは裏を返せば、成人よりも肉体的耐久力が低いと言う事になる。最近は力加減という概念が抜け落ちている連中が多いこともあり、カッとなって暴行に及んだ結果が死亡というケースは数多く存在する。この点について言えば、集団暴行の挙句に同級生を殺す少年や、泣き声がウルサイからと子供を殺す親と差異は存在しないと考えられる。

  • その後の扱い?

 単純に処理方法がわからないだけではないかと推測する。とっておきたいのではなく、処理の仕方がわからないからとりあえず置いていたのではないだろうか? 本当に保管したいのならそれに適した方法を調べるのは難しくないだろうし、理科室のフォルマリン標本ぐらいは誰だって思いつくことだろう。それをしなかったと言う事は、棄てたいが棄て方がわからなかった……と考えるのが自然ではないだろうか。実際、今回のケースでは最初こそ戸惑ってはいたようだが、最終的に遺棄するという手段を選択している。


 まぁ、結論として言えることは……異常犯罪者を演出するために、相手は異常であるという予断を持った状態で精神分析を行っているケースが多いと言う事だ。
 全てが重なり合った最終的な状態が特異で凄惨だと言うだけで、個々の事象を分解してみれば近年よく発生している事件と基本は同じなのだ。殺してしまったから遺棄しただけで、死亡していなかったのなら新潟の方で起きた監禁事件と同じ事が起きていたのかもしれない。
 どちらにせよ、こういう事件は今に始まったことじゃないんだしさ、ひとつひとつ的確に対処していくことが重要だと思うけどね。むしろバブル崩壊後の不況の裏で、10年以上対策されずに放置されてきたこと自体が問題だと思うんだけどね……。